「朝はお腹が空かない」ことの問題点

「朝はお腹が空かないからご飯が食べられない」と、朝ご飯を抜いている方が多いように思います。

食べる量が減るので、摂取カロリーを減らせてラッキーなんて思うかもしれませんが「朝ご飯が食べられない」ことの背景には色々な問題が隠れています。今日は、朝ご飯について考えていきましょう。

朝に「お腹が空かない」ことの問題点

「朝はお腹が空かなくて、ご飯が食べられません」という方はいますよね? 特に細身の女性に多いように感じます。

仮に夜ご飯を20時に食べて朝7時に起きたとしたら、11時間も何も食べていない状態にも関わらず、お腹が空かないとはどういうことでしょうか?

これは、「腸が動いていない」ことが考えられます。私たちの胃腸は、食事をしていない時間に活発になり、食べたものを消化してくれています。特に睡眠中には大きな蠕動(ぜんどう)運動が起こり、胃腸が空っぽになりきれいな状態になります。すると自然とお腹が空くものです。つまり「朝お腹が空かない」 とは、睡眠中に胃腸がうまく活動していないことが考えられます。

では、なぜ胃腸が活動していないのか。それは自律神経の問題かもしれません。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、食べ物を消化吸収する時の胃腸運動は、副交感神経のはたらきによるものです。副交感神経にスイッチが入ることで胃腸が動き出します。

本来、睡眠は副交感神経が優位になっているはずなのですが、そうではない場合、胃腸運動がうまく行われません。それだけではなく、睡眠時間は確保できていたとしても実際にはよく眠れていなかったり、歯ぎしりや食いしばり、途中で目が覚めたり、寝ても疲れがとれないといったことが起こります。

このように「朝はお腹が空かない」という言葉の裏には、多くの問題が隠れているということです。

朝ご飯を食べることのメリット

朝ご飯を食べることのメリットを考えていきましょう。

まずは1日のエネルギーの確保です。

特別激しい運動をしないとしても、仕事や家事、生活するためにはエネルギーが必要です。性別や活動量にもよりますが、1日に2,000kcal程、そして、タンパク質は50g程が必要になります。朝食を抜き、1日に必要な栄養を2食で摂るのは、なかなか難しいですよね。しかもタンパク質は消化に時間がかかりますから、一度に多くを摂取するよりも、細かく少量ずつ摂取する方が栄養になりやすいのです。

朝ご飯を食べるメリットもう一つは、血糖値の維持です。血糖値とは血液を流れる糖の量であり、一定の量を維持することがポイントです。高すぎても低すぎてもダメで、病気や身体の不調につながります。

食事をすると血糖値が上がり、時間が経つと徐々に下がっていきます。つまり、睡眠中は食事をしていないので血糖値は下がっている状態です。そのため、朝食を摂ることで血糖値を上げてエネルギー確保ができるのです。

人間は血糖値が下がり過ぎないための仕組みが備わっていますが、そのはたらきが弱っている方は、エネルギーがつくれずに覇気がない、いつも疲れている、やる気が沸かないといった症状につながります。 

「朝ご飯が食べられない」人こそ、朝ご飯を食べた方が良い

「食事は1日一食」という健康法などもありますが、朝ご飯は、私たちが元気に生活するために大事なものです。

「朝はお腹が空かない」とか「朝ご飯は食べられない」という方こそ、朝ご飯を食べた方が良い方です。もちろん無理やり食べるのではなく、睡眠や日々の生活、食事内容を見直して、朝ご飯を美味しく食べられる状態にしていきましょう。そして、栄養バランスの良い朝ご飯を食べて、毎日元気に活動していきましょう。