ストレス時の身体の反応
現代人は、多くのストレスを抱えています。ストレスは一時的なものであれば問題ありませんが、継続することで身体には様々な影響を及ぼします。生活する上で完全に避けることは難しいからこそ、ストレスの実態や自分なりの対処法を見つけておきましょう。
ストレスとは
2018年の厚生労働省の労働安全実態調査によると、「強いストレスとなっていると感じる事柄がある」労働者の割合は58.0%という結果です。その内容をみると「仕事の質・量」が 59.4%と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が 34.0%で「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」が 31.3%となっています。
私たちがストレスを感じるものをストレッサーと呼びます。ストレッサーとなり得るものは人それぞれですが、大きく3つの要因にわけられます。
- 物理的要因:暑さや寒さ、騒音や混雑
- 化学的要因:公害物質、薬物、酸素欠乏、過剰
- 心理、社会的要因:人間関係や仕事上の問題、家庭問題
これらのストレッサーによって引き起こされる反応は様々です。心理面ではイライラしたり不安を感じたり、身体的には肩こりや頭痛、お腹の不調、行動面では飲酒量や喫煙量の増加、仕事のミスなど、実に様々な影響を及ぼします。
ストレスに対する身体の反応
現代で「ストレス」というと、心理的要因を指すことが多いですが、脳が危険と感じるものは全てストレスとなり、身体を守るための反応が起こります。その反応を具体的にみていきましょう。
私たちがストレスを感じると、脳の視床下部から脳下垂体へ、そして副腎へと指令が渡り、コルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは、体内に蓄えられているグルコースを分解して身体にエネルギーを供給します。この反応は、短期的なものであれば問題ありませんが、長期に渡って繰り返されると、コルチゾールの分泌異常が起き、免疫力を低下させてしまいます。
さらにストレス時のもう一つの反応として、交感神経を興奮させ、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌することで血管の収縮、心拍数の増加、血圧上昇といった反応が起こります。
身体は自らを守るために様々な戦略をとっているのですね。一方で、限界を超えると身体の様々な不調や病気へとつながってしまいます。
ストレスに対処できるために気を付けること
ストレス時に分泌されるホルモンを日頃から無駄遣いしないでおくと、ストレスを感じた時には適切な反応で対応できます。そのためには下記のことに注意しましょう。
- 偏った食習慣
- 不規則な生活スタイル
食生活が乱れ、腸内環境の悪化や肥満、糖質の摂り過ぎといった状況は身体の炎症を引き起こします。さらに、夜更かしなどはコルチゾールの分泌に異常をきたし、副腎の働きが低下します。
人間はストレスに対応できる術を持っているのですが、そのストレスが過剰であったり、身体の機能が低下した状態では、十分に自分の身体を守ることが難しくなります。
自分にとって強いストレッサーとなるものからは極力離れ、栄養や睡眠をしっかり摂って、何かあっても戦える身体をつくっておきましょう。