食べたタンパク質が身体で使われるまで
タンパク質は3大栄養素のひとつであり、人の身体に不可欠な栄養素です。お肉やお魚、卵などに含まれていますし、最近では、コンビニやスーパーにもプロテインが販売されていますね。
今日は私たちが口から摂取したタンパク質が体内で、どのように使われているのかをみていきましょう。
身体でタンパク質をつくる仕組み
タンパク質とは、いくつものアミノ酸が複雑に絡み合ってつくれられています。人の身体は、20種類のアミノ酸で構成されていて、そのアミノ酸を摂取するために、お肉やお魚などを食べています。
ですが、お肉を食べたらそれがすぐに、自分の身体の材料になるわけではありません。お肉やお魚など私たちが食べるタンパク質は、構造がとても複雑なので、しっかり消化されるかどうかが重要です。
ちゃんと消化され、アミノ酸にまで分解されて、はじめて私たちの身体をつくる材料になります。アミノ酸は細胞の中にある小胞体という場所で、ひとりひとりの遺伝情報を元に、その人にあわせたタンパク質をつくり出します。
つまり、食べたタンパク質がそのまま自分の身体に使われるわけではなく、一度アミノ酸にまで分解され、そこから自分に合ったタンパク質へと再合成されるのですね。
タンパク質のはたらき
タンパク質と聞くと、筋肉! というイメージが強いかと思いますが、実はタンパク質のはたらきは多岐に渡り、私たちのカラダで大活躍してくれています。
タンパク質のはたらきを大きく2つに分けると、構造タンパク質と機能タンパク質にわかれます。
まず構造タンパク質とは、骨や皮膚に使われるコラーゲン、爪や髪に含まれるケラチンです。これらはイメージしやすいですね。一方で機能タンパク質とは、体内で何か機能をもつタンパク質のことを指します。
例えば、体内で物を運ぶ仕事をしてくれている、アルブミンやヘモグロビン、リポプロテイン。そして食べ物を消化するのに必要なアミラーゼやリパーゼ、ペプシン。さらに代謝のサポートをしてくれる代謝酵素といったように、タンパク質は身体の中で様々な仕事をしてくれています。
タンパク質摂取で気を付けること
このように、タンパク質は身体をつくり、体内機能も担っているため、しっかりと食事から摂取することが大切です。
ですが、たくさん食べれば良いというわけではなく「消化できているかどうか」がとても大切です。
先に挙げたように、タンパク質は様々な機能をもつため、構造が複雑にできています。牛肉は牛のタンパク質構造になっているので、それを消化して、人が使える状態にまで分解しなければなりません。
タンパク質の消化には、胃酸やペプシンという消化酵素が必要です。そのため、胃酸を抑える薬を飲んでいたり、食事の時にスマホやパソコンを見ていたり、日頃からストレスを抱えていたりすると、胃酸分泌に影響が出て、うまく消化が進みません。
もし、タンパク質を摂るとお腹が張ったり、胃がもたれるという方は、消化が苦手かもしれません。そういった場合は、日頃の生活を見直しつつ、食事を少し工夫してみてください。
例えば、パイナップルや玉ねぎをすりおろして、お肉に漬け込んでみたり、付け合わせに大根おろしを加えてみたりするのがおすすめです。これらにはタンパク質を消化してくれる酵素が含まれています。
タンパク質をしっかり食べてちゃんと消化して、健康でキレイな身体をつくっていきましょう。