身体のサポート役 マグネシウム
今日は、マグネシウムのお話です。マグネシウムは 5 大栄養素のひとつ、ミネラルの仲間であり、身体の代謝反応をスムーズに動かしてくれる最強のサポート役です。身体の色々な箇所で必要とされている一方で、現代人にとっては不足しやすいミネラルなのです。
マグネシウムのはたらき
マグネシウムは、身体で起こる様々な反応のサポート役として働いてくれています。エネルギーを生み出したり、食べ物を吸収したりといった反応を進めるためには欠かせない栄養素です。
この栄養素が関わる反応は、実に300以上ともいわれます。つまりマグネシウムがなくては、私たちの身体はスムーズに動かないのです。具体的にどういったことなのか、いくつか詳しくみていきましょう。
まず、糖質からエネルギーを生み出す時に必要です。食事から摂取した糖質は腸で細かく分解されて、エネルギーを生み出す回路に組み込まれます。この回路にたどり着くためには、多くの酵素(例えば、グルコキナーゼやピルビン酸キナーゼ)が必要ですが、これら酵素をサポートするのがマグネシウムです。つまり、糖質を摂っていたとしても足りなければ、糖質からエネルギーを生み出すことはできません。
さらに、筋肉細胞にはマグネシウムが多く含まれており、筋肉を緩めてくれるはたらきをもちます。筋肉を動かすためには、カルシウムとマグネシウムのバランスが大切です。筋肉を収縮する時には、カルシウムがスイッチとして働きますが、その収縮した筋肉を緩めるためにはマグネシウムが大切です。
このバランスが崩れてしまうと、筋肉細胞がうまく動かず、筋肉の緊張が強くなってしまいます。
こういった細かい代謝反応を進めるためにマグネシウムが活躍してくれています。
マグネシウム不足が引き起こす症状
300もの代謝反応に関わっているマグネシウムですから、不足すると多くの反応に影響が出て、様々な体調不良につながると考えられます。
いくつか挙げてみるとこのようなものです。
- 疲労、倦怠感
- 頭痛
- 足がつる、痙攣
- 便秘
- 不眠症
まず、先程お伝えしたように、エネルギーをつくるためにマグネシウムは欠かせません。私たちが毎日活動するにはエネルギーが必要ですから、たくさん運動をしたわけでもないのに疲れを感じたり、しっかり寝たのに朝から疲れていたりといったこともありますね。
そして頭痛。片頭痛患者では、血清、脳脊髄液、脳組織内のマグネシウム濃度が低いこと、片頭痛発生時に起こる血小板の過剰増殖や神経伝達物質放出への影響などが示されています。(参考:Magnesium in headache)
さらに筋肉細胞の動きに関わるため、足がつったり痙攣が起きたりといったことにも関係します。
現代人はマグネシウムが不足しやすい
現代人はマグネシウムが不足しやすいです。
なぜなら、ストレス、カフェイン、アルコール、精製糖質、高脂質の食事などで多く必要とされるからです。そして、カルシウムとのバランスも重要なため、カルシウムを積極的に摂取している場合、相対的にマグネシウムが不足するという事態が起こります。不足する要因が多いと感じる方は、意識的に摂取してみましょう。