花粉症の治療と対策
毎年この時期になると花粉症の症状に悩まされるという方、多いと思います。こういった現状にともない、病院での治療の選択肢が増えたり、より効果の高い治療薬が開発されたりするなど、花粉症への対策は進んでいます。
今日は花粉症の治療と対策についてみていきましょう。
花粉症のメカニズム
厚生労働省は、花粉症のメカニズムについて「“花粉は異物だぞ!”という情報が細胞へ送られて、その花粉だけに反応する抗体が症状を起こす」と表記しています。
加えて、スギ花粉の抗原が鼻の粘膜内に入ると、異物を認識する細胞(マクロファージ)と出会い、マクロファージが得た花粉抗原の情報がリンパ球のT細胞に送られます。さらに、T細胞はその情報を同じリンパ球のB細胞へ送り、花粉にぴったりと合う「抗体」(スギ特異的IgE抗体)が作られます。
これが一般的にアレルギー反応と呼ばれる「感作」という最初の段階だと明記されています。
少しわかりやすくすると、花粉が鼻の粘膜に入る→マクロファージが情報を送る→その情報をT細胞がキャッチ→B細胞がIgE抗体をつくる、という流れです。
そして、IgE抗体が抗原(スギ花粉)とくっ付くことで、ヒスタミンやロイコトリエンといったアレルギー物質が放出され、くしゃみや鼻汁、鼻づまりなどの症状を生じさせます。
花粉症の治療
病院を受診すると、花粉症の症状をやわらげるための目薬や内服薬が処方されるかと思います。現在の花粉症治療には大きくわけて対症療法と根治治療の2つがあります。対症療法には点眼薬や点鼻薬による局所療法、内服薬による全身療法などがあります。
一方、根治治療には原因抗原(花粉など)の除去と回避、そして減感作療法(抗原特異的免疫療法)が用いられます。これらの治療により、約5~6割の人が、ほとんど花粉症の症状がなく暮らすことが可能とされています。
花粉症は症状が強い方ですと、仕事や日常生活に支障が出てしまう場合も多いので、必要があれば、病院での治療が大切ですね。
日頃から気を付ける食習慣
では、病院での治療以外に、私たちが日頃気を付けておくべきことを考えていきましょう。
花粉症は免疫反応ですので、免疫機能を正常にはたらかせることが大切です。免疫機能を高めるためには、なんといっても腸内環境を整えることが大切です。花粉症の時期になると腸内環境を整える乳酸菌の食品や飲料が注目されますよね。
そして乳酸菌に加えて、おすすめなのが酪酸菌です。酪酸菌とは腸のエネルギーとなるもので、ドラッグストアでは「ミヤリサン」として販売されています。
次にビタミンD。腸粘膜の炎症を取り除き、免疫機能を正常に戻すはたらきを持ちます。食材では、鮭やサンマなどのお魚、そして卵やキノコ類に含まれています。
さらに、腸の炎症を引き起こすようなジャンクフード、質の悪い油を使った揚げ物、グルテンやカゼインといったものはなるべく避けることも必要です。
毎年の花粉に悩まされている方は多いと思いますので、治療とあわせて、日頃の食習慣の見直しも行ってみてくださいね。