脂肪燃焼に必要なもの

ダイエット中の方にとっては「脂肪燃焼」というキーワードは気になりますよね?

食事からの摂取量を減らすことに加えて、脂肪をいかに燃やせるかと考えているかと思います。今日は脂肪を燃焼させるために、そして食事から摂取した油を消化吸収するために必要な栄養素についてみていきます。

脂質とは

まず前提としてですが、脂質は身体にとって大切な栄養素です。

エネルギーの蓄えとなりますし、体温の保持や内臓の保護など、身体にとって重要な役割を担っています。

そのため、食事から適切な量を摂取しなければなりません。一方で、摂り過ぎは肥満の原因となります。

では、脂質の種類についてみていきます。脂質は中性脂肪、リン脂質、コレステロールの3種類で、普段の食事では、魚やお肉、食用油から中性脂肪を摂取しています。

これら食品に含まれる中性脂肪は分子が大きく、消化や吸収に少し手間がかかります。

脂肪燃焼に必要なもの

脂肪をエネルギーに変える、つまり燃焼させるために大切な栄養素のお話をしていきます。

その前にまず、脂肪の消化について考えていきましょう。脂肪は分子が大きいため消化が大変です。膵リパーゼや胆汁酸という物質が不可欠です。

膵リパーゼは、膵臓でつくられる消化酵素で、中性脂肪を構成するグリセロールと脂肪酸を分解します。

次に、分解された脂肪を水に馴染みやすくするために胆汁酸が使われます。例として、マヨネーズを手作りする場合、油とお酢に卵黄を加えることで、油分が分離することなくクリーム状になりますが、この卵黄のような役割をしてくれるのが胆汁酸です。このように、食べた脂肪を消化吸収するためには、膵リパーゼと胆汁酸が必要です。

そして脂肪をエネルギーとして使う場合には、カルニチンという物質が使われます。カルニチンがあることで、分解された脂肪を、エネルギーをつくる工場のある細胞の中まで運ぶことができます。カルニチンは、赤身肉、特に羊のお肉に多く含まれています。

カルニチンは、アミノ酸を原料として体内でつくられていますが、年齢を重ねるにつれて合成量は減少します。そのため、お肉をあまり食べない方や高齢の方は、カルニチンが不足し、脂肪をエネルギーに代える力が低下します。

脂肪の代謝にはコレステロールが必要⁉︎

先程、脂肪を吸収する際には胆汁酸が必要というお話をしました。この胆汁酸は何からできているのかというと、それはコレステロールなのです。

コレステロールというと「少ない方が良い」というイメージで悪者にされやすい物質ですが、実は脂肪を消化吸収するためには大切なものなのですね。分子栄養学という観点から考えると、LDLコレステロールの数値が100以下の場合、胆汁酸が十分につくられていない可能性があります。コレステロールは胆汁酸の原料となることに加えて、解毒や殺菌作用をもち、性ホルモンや細胞膜の成分にもなります。

コレステロールが少ないことは、毒物の排泄、月経トラブル、妊娠にも影響が及ぶことが考えられます。

このように、一般的に嫌われ者になりやすい脂肪やコレステロールですが、身体の機能を保つためには欠かせないものです。摂り過ぎることが良くないのであって、日々の食事をバランス良いものにすることで、脂肪燃焼にも役立ちます。