疲れを長引かせないために

今日のテーマは「疲労」です。

「新しい職場に慣れるまでは疲れる」とか「買い物でたくさん歩いて疲れた」「子どもと遊んで疲れた」など、日常生活の様々なシーンで疲れを感じることがありますよね。

疲れるのは普通のことですが、その疲れを長引かせないために何ができるか、考えていきましょう。

「疲れ」とはどういうことか

日本疲労学会では「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義されています。みなさんは、どんな時に疲れを感じますか? また、疲れるとどんな症状が出ますか?

緊張したり相手に気を使ったりする場面では精神的な疲労を感じ、スポーツをした後などは身体の疲労を感じます。症状としては、肩こりや頭痛、ぼーっとする、集中力が下がる、そして筋肉痛やダルさといったことが挙げられます。

疲労症状が慢性的に続くことで、生活に支障をきたしてしまうといった方もいます。

疲れの具合には個人差がありますので、ご自身で「おかしいな」と感じた場合は、医師に相談してみてください。

現代では、慢性的な疲労に対しての診断が行えるようになってきており、心電図や血液検査、唾液検査などで、自律神経の乱れ、血中の活性酸素数、唾液中に存在するウィルス数などで病気と診断できることがあります。

疲労はエネルギーの枯渇

疲れているということは、エネルギーが枯渇しているともいえます。

私たちは、日々エネルギーを生み出し、使いながら生活していますので、一度に多くのエネルギーが必要とされた後にはエネルギー不足が起こります。身体をたくさん動かすには、筋肉を動かすためのエネルギーが必要ですし、物事を考える時や、精神的に負担がかかる場面でもエネルギーが使われます。

そのため、エネルギーを十分に蓄えられていなかったり、生み出すことが苦手だったりすると、疲れがなかなか回復せず、疲労症状が続くことになります。

細胞のミトコンドリアという場所が、エネルギーをつくる工場です。

その工場がうまく稼働していなければ、エネルギーをつくり出せません。そして、エネルギーを生み出す材料も必要です。

例えば、活性酸素や悪い油で細胞がダメージを受けていたり、エネルギーの材料となる栄養が足りなかったりすれば、疲労症状につながります。

疲労を回復させるには、エネルギー生産工場をしっかり可動させることが大切です。

エネルギーをつくって疲労を回復する

疲れから回復させるには、まずはしっかり休息をとりましょう。毎日の睡眠を大切にして、身体を休める時間をつくってみてください。

そして、バランスの良い食事をしましょう。エネルギーの原料となるのは3大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質です。さらにその材料を加工する時に、ビタミンB群やマグネシウムなどが必要です。

忙しくて時間がとれない等と、食事を疎かにしてしまう場合もあるかと思いますが、疲れている時こそ、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。手軽に食べられるパンやジャンクフードといったものよりも、定食のように主食、主菜、副菜、汁物というように、偏りのない食事がおすすめです。

しっかり寝てしっかり食べて、元気に毎日を過ごしましょう。