座り姿勢が身体に及ぼす影響

現代ではインターネットが普及したことで、パソコンを使って行う仕事がとても増えていますよね。さらにリモートワークも進み、現代人の座り時間はどんどん増えています。

今回は、座り姿勢が身体に及ぼす影響、そしてデスクワーカーが気にする猫背を改善するために今日からできることをお伝えしていきます。

長時間の座り姿勢は、病気のリスクも高める

現代人のデスクワーク時間が長くなっていることを受け「座位時間」が、健康にどのような影響があるのかを調査する研究が様々行われています。例えば、座っている時間が長い方は、そうでない方の1.2倍死亡リスクが高まる、糖尿病や高血圧のリスクが高くなる、腰痛の可能性が上がるなど、実に多くの影響が明らかになっています。

腰痛などの症状は、コロナ禍をきっかけに実感されている方も多いのではないでしょうか? 在宅で仕事をする方は、職場に行って仕事をするよりも長く働いてしまうといったことも起きていて、座位時間はどんどん伸びていますね。

座り姿勢と猫背

座り姿勢が続くと、猫背も気になりますよね。

画面を見るために顔を前に突き出して、背中は丸くなります。集中して仕事をしていれば、少しぐらい背中が丸くなるのは普通ですが、丸まりが過剰であったり、立ち上がっても背中が丸まったままだったりというのは問題です。

身体は本来、その時の状況に適した姿勢になりますので、立ち上がれば、背中が極端に丸まることはありません。ですが街中を見渡すと、立っていても背中が丸かったり、首や頭が前に突き出た姿勢だったりする方を多く見かけます。

このように、猫背が続いてしまう原因は「長時間の座位姿勢により、身体のセンサーがはたらかないこと」です。

私たちの身体は「感覚器」と呼ばれるセンサーによって周囲の状況を把握し、姿勢をコントロールしています。

「固有受容器」と呼ばれるセンサーは、筋肉や関節、皮膚に存在していて、自らの動きや位置、様々な刺激を情報として脳に伝えています。座り姿勢が長時間続くことで、筋肉や骨が動くことが少なくなると、これらのセンサーのはたらきは低下し、脳に情報が伝わりません。すると、「身体所有感」と呼ばれる「自分の身体を自分のものだ」と認識する感覚が薄れ、姿勢のコントロールがうまくいかなくなるのですね。

猫背を改善するために

長時間座っていることが猫背を生み出すことはわかっていても、デスクワークでは座り時間を少なくすることが難しいですよね。そのためリスクは理解した上で、猫背を予防するために最低限できることをお伝えしていきます。

  • 1時間に1回は立ち上がり、伸びをする
  • お昼休憩では散歩をする
  • 休日には適度に身体を動かす

仕事に集中するあまり、数時間身体を動かさない、休憩も取らずにパソコンを見ながら食事をする、なんて方もいるのではないでしょうか? そういった状態では、関節も筋肉も動きませんので、身体は固まり、センサーも働きません。そして食べたものもちゃんと消化吸収されません。

最低でも1時間に1回はパソコンから目を離し、身体を動かしてみてください。そして、食事の時間をしっかりとって、外の空気を吸いにお散歩に出かけましょう。

できる限り、身体のセンサーのはたらきを高められるよう、少しでも身体を動かすことが大切です。