冬の栄養補給「鍋料理」

寒い日には、暖かいお鍋が食べたくなりますね。ぐつぐつと煮込まれた具材やスープは、身体もココロも温めてくれます。そしてお肉やお魚、何より野菜がたっぷり食べられて、栄養の観点からみても、すごくバランスの良い料理です。具材を変えながら、鍋料理を楽しみましょう。

鍋料理の良いところ

  1. 栄養バランスが良い

    鍋料理の良いところは、なんといっても栄養バランスの良さですね。野菜、お肉、お魚、貝類、キノコ類、豆腐など様々な食材を入れますので、1回の食事でタンパク質、ビタミン、ミネラルがしっかり摂取できます。

    日本には各地の郷土料理として様々な種類の鍋料理が存在します。例えばアンコウ鍋。アンコウの肝にはビタミンAやビタミンE、そして良質なアミノ酸や脂質が豊富です。次に牡蠣鍋の牡蠣には、ビタミンB群や亜鉛、鉄などのミネラルが豊富です。さらにイノシシ肉を使ったぼたん鍋にはビタミンB群が多く含まれ、疲労回復に期待がもてます。

    1. 栄養素を逃がさない

    鍋料理の良さとしてもう1つあげられるのは、スープまで飲めることです。このスープにこそ、栄養素がたっぷり溶け出しているのです。野菜は加熱することで細胞壁が壊れ、細胞内に含まれるポリフェノールや食物繊維などの有効成分が外に出てきます。

    生で食べるよりも加熱して、そのスープまで飲むことが栄養を摂る秘訣です。

    さらに水溶性ビタミンもスープに溶け出しますので、その栄養豊富なスープを飲むことで、日頃逃しがちなビタミンやミネラルをしっかり摂取することができます。

    お鍋をする時の注意点

    鍋料理は良いこと尽くめなのですが、少しだけ注意が必要です。それはスーパーなどで売られている「鍋の素」です。原材料を見てみると、果糖ぶどう糖液糖や砂糖が入っています。

    鍋料理だからヘルシーだと思って食べていると、実は果糖ぶどう糖液糖や砂糖の影響で血糖値が上がってしまいます。

    さらに食用油やチキンエキスといったものも入っています。お魚を入れてEPADHAといった良質な油が摂取でき、お肉や魚介類から出汁や旨味が出ますので、それが一番美味しいエキスです。

    加えて便利な現代では「鍋用セット」というように、あらかじめ一口大に切られた野菜がパックに入って売られています。こういった野菜は、工場で加工する段階で栄養素が抜けてしまっています。ひと手間かかりますが、是非、野菜は自宅で切って、お鍋に入れましょう。

    おすすめ食材

    お鍋に入れていただきたい食材をご紹介します。

    まずはビタミンDが含まれる舞茸。ビタミンDは皮膚が日光に当たることで合成されるのですが、日照時間の短い冬では食物から摂取する事が大切です。

    続いて、しらたき。グルコマンナンという水溶性食物繊維が含まれており、お通じの改善に効果的です。

    そしてお魚や貝類といった魚介類も是非入れましょう。日頃はお肉を食べることが多い方こそ、タラやブリなどから、良質な油やビタミンを摂り入れたいですね。さらについ白菜やキャベツといった葉物野菜を多く入れがちですが、水菜や春菊、人参といった緑黄色野菜も入れるとよりバランスが取れます。

    多くの食材をバランス良く入れることで、しっかり栄養を補給して、身体の機能を高めましょう。