健康に必要な油の重要性

油と聞くと「身体に良くないもの」「避けるべきもの」と思っていませんか?

私たちの身体は油でできていると言ってよい程、人間には必要な栄養素です。ですが「悪い油」があることもまた事実です。悪い油はできるだけ避け、健康を手にいれていきましょう。

油は必要不可欠な栄養素

私たちの身体を構成する物質として「脂質」。つまり油は欠かせない栄養素です。5大栄養素のうちのひとつです。

油が体内に吸収された後の役割は、こんなものがあります。

  • 細胞膜の成分になる
  • ホルモンや胆汁の材料となる
  • 身体を動かすエネルギーを生み出す原料となる 

まず、私たちの身体は数多くの細胞からつくられていますが、その細胞を包む膜の成分は油なのです。細胞の中はとても重要な器官があるため、安易に物質の行き来ができないようになっており、細胞の内外を隔てる細胞膜の役割はとても重要です。私たちが摂取した油が、そのまま細胞膜をつくります。

そして女性ホルモンや男性ホルモン、そして食べ物の消化をサポートしてくれる胆汁も油からつくられます。

さらに、私たちが運動したり心臓を動かしたりするためのエネルギーを生み出すのにも使われます。

現代人が摂取しがちな「悪い油」

油の含まれている食品や、油で調理している食材など、私たちは食事から多くの油を摂り入れています。現代人が知らず知らずのうちに摂取している油には、質の悪いものが多いのです。

まず、避けるべき油のひとつは「トランス脂肪酸」です。トランス脂肪酸とは、液体状の油を固体に変える時に発生する物質で、お菓子やデザートといった洋菓子によく含まれています。海外では規制が厳しく、EU諸国やスイス、シンガポールではトランス脂肪酸濃度の上限値が決められており、アメリカ、カナダ、台湾などでは部分水素添加油脂の使用が規制されているといった状況であるにも関わらず、日本では未だ表示の義務もなく、多くの商品に使用されています。

次に「サラダ油」や「コーン油」などの安価でオメガ6を多く含む油は、摂取しすぎると身体の炎症を引き起こします。 さらに、揚げ物をつくる際にはサラダ油を何度も使いまわすため、酸化された油を摂取している方が多いのです。飲食店ではこのような悪い油を使っていることがほとんどであり、現代人は気付かないうちに炎症体質になっていきます。

私たちの細胞膜は悪い油でできあがり、結果として生活習慣病を引き起こす原因となるともいわれています。

オメガ3の油を積極的に摂りましょう

このように、摂取する油の質は私たちの健康に直結します。

悪い油はできるだけ避けて、現代人が不足しがちなオメガ3を取りましょう。これはエゴマ油やアマニ油、魚などに多く含まれているため、積極的に摂取することをおすすめします。最近ではEPADHAのサプリメントも販売されていますね。オメガ3は、動脈硬化を防いだり心筋梗塞を予防するといわれ、体内の炎症を抑える働きがあります。外食が多いという方、魚よりも肉が好きといった方は、ぜひ摂取していきましょう。