ツライ冷えを改善するために知っておきたいこと

寒い冬が近づいてきましたね。夜は靴下を履かないと眠れない、手が冷たくて仕事に集中できない、寒いから暖房をつけるけど乾燥するのも嫌だというように、冷え症の方にとってはとてもツライ時期かもしれません。冷え性の原因は何なのか、冬を迎える今、冷え性について考えていきましょう。 

冷えの原因

冷えの問題は「血行不良」と「熱を生み出す力の低下」の大きく2つあります。血行不良の原因は自律神経の問題や運動不足、食生活の乱れ、喫煙などが挙げられます。熱を生み出す力の低下は筋力不足や運動不足、栄養不足などが原因となります。

私たちは身体のポンプ機能を使って全身に血液を巡らせていますが、運動不足により筋肉が適切に働かないと血流を悪化させます。さらに「筋肉が多いと代謝が高い」といったことを聞いたことがある方もいるかもしれませんが、私たちの筋肉ではエネルギーを生み出しています。エネルギーをつくり出す場所である筋肉が少ない場合、代謝が低下して熱を生み出すことができません。さらに食生活が乱れて栄養が足りないと貧血を引き起こしたり、血液を運べなくなったり、手先や足先の血管に酸素を届けられないといったことが起こります。

自律神経とは

人は交感神経と副交感神経という自律神経によって、身体のはたらきを保っています。心拍数や血圧、体温、消化管の機能など、生命維持に大切な機能を自動的にコントロールしてくれています。交感神経は「闘争、逃走反応」を引き起こし、身体を緊張させることで身を守る反応が起こります。副交感神経は「摂食、生殖反応」といって、リラックスして食べ物を吸収したり、睡眠など身体を休めるようにはたらく反応です。この交感神経と副交感神経はバランスが重要であり、その時々によってオンとオフの使い分けができることがポイントです。

交感神経がオンの状態では末梢の血管が収縮しやすくなり、手足への血流が低下して冷えを生み出します。緊張する場面では手足が冷たくなるといった経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか? これは、身体としては正常な反応であり、しばらくして副交感神経へのスイッチが入れば改善されます。ですが、心理的ストレスの原因が多く緊張した状態が続いたり、睡眠不足や栄養不足により身体的な緊張状態が継続したりするとオンとオフのスイッチの切り替えがうまくいかなくなります。すると交感神経にスイッチが入りっぱなしとなり、手足への血流が不足した状態が長く続くことになります。

 冷えを改善するために

まずは心理的なストレスを回避すること、そして加工食品ばかりではなく栄養バランスのとれた食事をして、十分な睡眠時間を確保することが大切です。また、ご自分がリラックスできる方法を見つけておきましょう。例えばお風呂にゆっくり浸かる、軽く動ける程度の運動をする、気心の知れた友達と美味しい食事をとる等。お風呂は直接身体を温めることもできますし、副交感神経へのスイッチを入れることもできるので、とってもおすすめです。さらに交感神経優位な方は、呼吸が浅く息を吐き切れていない方も多いのです。息を吸う時には交感神経、吐く時には副交感神経へのスイッチを入れることができますので、意識して息を長く吐いてみるのも良いですね。