ココロの健康に必要な、神経伝達物質のお話

セロトニンやドーパミンといった、脳内で分泌される物質は、私たちの感情や意欲に大きく関わります。そしてこれらの神経物質は、うつ病や PMSといった病気などとの関わりも解明されてきています。

今日は、私たちの感情と大きく関わる神経伝達物質についてみていきましょう。

神経伝達物質とは

セロトニンやドーパミン、メラトニンやGABA、こういった物質は神経伝達物質と呼ばれます。

これらは脳内で分泌される化学物質であり、私たちの感情や意欲を変化させ、さらには眠気を誘うといったことにも関わります。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれることもあり、楽しさ、気持ち良さ、爽快感などを感じる時に分泌されています。

ドーパミンは学習や意欲と関係しており、勉強や仕事に集中している時に、メラトニンは眠気を感じる時に分泌されます。

そしてGABAは興奮を抑えるはたらきをもち、穏やかさをもたらします。この他にも100種類もの神経伝達物質が存在するといわれており、私たちの生活に大きく関わります。

神経伝達物質は栄養素からつくられる

この神経伝達物質が何からつくられているのかというと、材料はアミノ酸です。食事を通して摂取したアミノ酸を原料にしてつくられているんです。

そして、必要なのはアミノ酸だけではありません。例えば、セロトニンをつくるためには、アミノ酸に加えて葉酸や鉄、ナイアシン、ビタミンB₆といった栄養素も必要なのです。

つまり、セロトニンが分泌されて幸せを感じるためには、これらの栄養素を摂取していることが前提です。うつ症状のある方は、セロトニン分泌が少ないケースがあるといわれます。

そして、このセロトニンが作られた後に睡眠ホルモンであるメラトニンがつくられるため、うつ状態で睡眠トラブルを抱える方も多いのですね。メラトニンをつくるには、マグネシウムも必要です。このように栄養は、私たちの身体の構造をつくるのはもちろんですが、ココロの安心もつくり出してくれているのですね。

バランスが大切

100種類も存在すると言われる神経伝達物質、これらは適切にバランス良く分泌されることが大切です。特定の物質が多すぎても少なすぎても良くありません。

例えばグルタミン酸は興奮系の物質を生み出す神経伝達物質であり、多すぎることで身体の興奮がうまれ、落ち着きがなくなるといったことに繋がります。

さらに、ノルアドレナリンという神経伝達物質が増えすぎると不安感が強くなります。この原因のひとつは、ノルアドレナリンをつくる時に必要なミネラル、銅が多すぎることといわれています。

特に女性は、ホルモンの影響により月経時に銅が多くなる傾向にあり、ノルアドレナリンが増えることで精神的に不安定になるPMS症状につながるともいわれます。

今回は私たちのココロと大きく関わる神経伝達物質についてのお話でした。偏った食生活をするのではなく、多くの食材から様々な栄養素を摂り入れましょう。

そして必要があれば専門の医師に相談してみてくださいね。